<第一幕>
その日、
魂を半分どこかに置き忘れた男女が
とある美術館を訪れました。
♪このよでいちばんけはんけはん
♪おりょうりするこほこほんこほん
男女の名はNONちゃんとmomoちゃん。
普段はぐりとぐらのような二人ですが、
今は風邪ひきさんで元気に歌うこともできません。
美術館の名はフィリア美術館。
八ヶ岳のふもとの森に抱かれた
小さな小さな美術館です。
しとしと小雨の闇をぬって
お魚のようなヘッドライトが
ゆらりゆらり泳いできては
美術館の壁を照らし出します。
おしゃれに着飾った人、
普段着に草履をつっかけただけの人。
次から次へと訪れる人たちに混じって、
二人は重い足とふわふわした体で
ずりずりよろよろくらくらぞくぞく
小さな小さな美術館の門をくぐりました。
そう。
今夜は
音楽会が催される
特別な夜なのです。
<第二幕>
2005年11月3日
フィリア美術館において、「こぶちさわ音楽祭2005」参加の音楽会『ポエトリック・オペラ』が開催された。
出演者は覚和歌子(かくわかこ)さんと丸尾めぐみ(まるおめぐみ)さん。
覚さんは、「朗読するための物語詩」という独自の分野を開拓する詩人であり、かつ、沢田研二、SMAP、小 泉今日子など、数多くのアーティストの歌詞を手がけている作詞家でもある。あまり詩になじみのない方でも、映画「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度 でも」の作詞者だと聞けば、ナルホドと思われることだろう。
丸尾さんは、教会音楽とクラシックを下地に、ジャンルにとらわれない自由な作品を生み出している音楽家だ。演奏家として加藤登紀子、ピエール・バルーらと共演したり、作編曲家として、美しい作品群を多くのアーティストに提供。尺八とのユニット、女性の声を活かしたユニットなど、様々な形態で精力的に活動している。
そんな覚さんと丸尾さんがこのたび企画したのが、詩と音楽の新しい形『ポエトリック・オペラ』である。この日は、覚さんが詩の朗読と歌唱、丸尾さんが各種鍵盤楽器演奏と歌唱を担当したのだが、『ポエトリック・オペラ』と聞いてもそれがどんなものなのか、諸兄姉には判断し難いのではないかと思う。筆者自身も実際に拝見させていただいて、ようやく、ああそうかと納得できたのだ。単純な表現をすれば、これは、歌と朗読と楽器によって紡ぎ出される歌劇である。ただし、それだけではない。『ポエトリック・オペラ』…このタイトルの真ん中に、デンと鎮座まします「トリック」の文字。そう、これは「トリック」という名の上質な隠し味をちりばめた最上級の朗読歌劇なのだ。声と楽器を駆使して縦横に繰り出される様々な仕掛け。それはステキなトリック。
ただ、いくら隠し味が上質でも、それだけで質の良い作品が生み出せるはずはない。素材の良さとそれを調理する腕が必要になるのだが、そのあたりも申し分はない。語られ、歌われ、奏でられる情景は、まるで印画紙が感光するように目の前で形を成し、心の中にスッと落ち着いて定着してゆく。
そして、お二人の人柄が多分に効いたスパイスがふりかけられる。しゃっきりキリリとした覚さんのスパイス。ふんわりまろやかな丸尾さんのスパイス。それらが見事に調合されて実に味わい深いふくよかな空間が演出されるのだ。
歌声がまた、心地よい。ご本人達も語っておられたが、それぞれ、お名前のカクとマルを体現しているようで、そういった面でも面白く微笑ましく感じた。
面白いといえば、忘れてはいけないのがパイプオルガンの演奏。この美術館にはなんとパイプオルガンが設置されているのだ。もちろんただの展示物ではない。荘厳な楽の音を響かせる現役のシロモノである。パイプオルガンの演奏は特殊で難しいと聞くが、丸尾さんはそれを演奏しながら歌まで歌ってしまったのだ。つまり、パイプオルガンの弾き語りだ。こんなのはめったに聴けるものではない。重厚な音色とやさしい歌声。ありがとう、と言いたい。
一部終了の後、休憩を挟んで、二部へと続くのだが、この休憩時間に茶菓が供される。演奏者も観客も一旦ロビーに出て、紅茶を飲み、ケーキを手に、歓談するのである。心憎い。
二部には、この日のために書き下ろされた『白夜』という作品が演じられた。覚さんの朗読をメインに据えて物語が淡々と綴られてゆく。物悲しいストーリーが、驚くほどの透明感をもって、美しく強く、美術館という空間を満たしてゆく。そして『白夜』の旋律が、歌声が、胸にじんわりと染み込んできて・・・私は、ゆっくりと、眼を閉じた・・・
<第三幕>
やっほー、たびすけだよん。
音楽会、よかったよ~。
風邪でヘロヘロの某食二人組にピシピシ鞭打って
お片付けを手伝わせちまったい。
ごめんよ。。
そのあと、我々は夕食にカレーを振舞っていただいたのだ。
味は、、おいしかった。。と言っておこう。
覚さんと丸尾さんと音響さんも一緒に食べたんだよ。
なんだか不思議なかんじだったなぁ。
みなさんの電車の時間が迫ってたから
ゆっくりとお話できなかったけど、
音楽会の通りのステキな空気をまとった人達でした。
そして
食後のお茶の時間に、驚愕の事実発覚!
momoちゃんのルーツは「もんきぃ★」だけではなかった。
小淵沢という地にもルーツの一つがあったのだあ。
なんと、momoちゃんのお婆さんは小淵沢の出身だったのです!
しかし、いまだ謎に包まれた「momo婆ちゃん」の生家、生立ち、勤め先。
その謎を解明すべく立ち上がったのは6人の探偵たち。
全長4メートル程のテーブルに並んで座るNONちゃんとmomoちゃん。
その向かいには、対峙するようにして6人の探偵がずらり。
探偵たちは、二人が語る「momo婆ちゃん」の武勇伝に爆笑しつつ、
キャベツの葉を一枚ずつ剥がすように、
ゆっくりと核心に近づいていったのだ。
「あの家かな」
「先々代なら」
「きょうだいが多くて」
「同級生ですよ」
次第に謎が解き明かされていく様は、
いやーもうほんとに、面白かったなー。
それぞれの人生の曲がりくねった階段が、
近づいては離れて、ある瞬間には重なって・・・
っていう早回しのLIVE中継を見ているようだったよ。
アハハハと感動したよ。
ありがとう。おつかれさま。
そして某食二人組は残っていた魂すら置き忘れて、
凍てつく11月の闇へと吸い込まれていったのでした。
おしまい。
<カーテンコール>
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覚和歌子・公式ファンサイト
風雲うたよみギムナジウム
http://www5a.biglobe.ne.jp/~misohito/
丸尾めぐみ・オフィシャルサイト
丸尾めぐみのHP
http://www.angel.ne.jp/~water2/maruo/
某食二人組(NONちゃん & momoちゃん)
某~!?くぼ食堂★ドタバタ記
http://ameblo.jp/shockdo/
お~くぼ食堂
http://www.much-baco.com/ohkubo/
こぶちさわ音楽祭 2005
http://kobuchisawa.gr.jp/gekka/ongakusai/top.html
フィリア美術館
http://www5.ocn.ne.jp/~philia/
インスパイア
お~やすみ(×_×;)食堂。。
http://ameblo.jp/shockdo/entry-10005889405.html
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(鳴り止まない拍手)
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